WAN高速化装置の仕組み
ネットワークスペシャリスト試験の過去問(H26NW午後1問1)には次の記載があります。
N君は, PCとFS間でのWASによるデータの高速化処理について調査した。調査の結果, WAS間では,データ圧縮機能による通信データ量の削減だけでなく,ぅ如璽燭料信元に対して代理応答を行ってデータをキャッシュに蓄積した後に、もう一方のWAS宛てに一括してデータを送信することによって,高速化を図っていることが分かった。

設問3(2)本文中の下線い僚萢の効果がより高くなるのは,本部と支部間の通信の特性がどのような場合か。20字以内で具体的に述べよ。
WASとは、「WAN高速化装置」です。WASが何の略称かは問題文に記載されていませんが、WAN Acceleration Systemのことでしょう。

具体的には次の3つの機能です。
 並亳機器の)代理応答
  サーバーとクライアント間のやりとりであるACK(確認応答)を、対向機器に代わってWASが代行します。こうすることで、ACKの遅延の影響を削減します。
▲ャッシュ蓄積
 WASのメモリやハードディスクにデータを一時保存することで、2回目以降のアクセス時の遅延を削減します。データを送る時間だけでなく、本来やりとりされるWANを越えるACK受信の待ち時間も削減されます。
データ圧縮機能
  WASがデータを圧縮することで、高速な通信を実現します。

さて、設問の解答は以下です。
解答:
・ラウンドトリップ時間が大きい場合

 ラウンドトリップ時間に関して過去問(H22NW午後1問1)では、「ラウンドトリップ時間とは、TCPのコネクションにおけるパケットの往復時間である」と述べられています。行って帰ってくるという一周(Round)するときの旅行(Trip)というイメージで理解すればいいでしょう。
また、同じ過去問には、「帯域幅を広げれば、応答性能は向上し続けると思われがちであるが、TCPの通信プロトコル上、実効転送速度は、”ウインドウサイズ÷ラウンドトリップ時間”に抑えられる」とあります。
細かい説明はここでは割愛しますが、ようは、「いくら帯域幅を広げたり圧縮したりしても、ラウンドトリップ時間が重要だ」ということです。

WAN高速化装置の障害時の仕組み
ネットワークスペシャリスト試験の過去問(H20NW午後1問3)には、次の記載があります。
ここから、WAN高速化装置の配置の一例と、障害時の仕組みを知ることができます。
〔WAN高速化装置の導入〕
WAN高速化装置の接続方式は,図3に示すように,本社及び各営業所のLANと広域イーサ網の間に設置し,対向して動作するという方式である。この装置の故障時にも通信を継続するには,WAN高速化装置にはある機能が必要である。K君は,その機能を搭載した機種を選定し,ベンダから借用して,擬似的な故障を起こさせるために電源をオフにし,実際に動作を見てその機能を確認した。J氏は, K君の確認結果の報告を受け,WAN高速化装置の導入とファイルサーバの集約を順次進めた。
ネットワークスペシャリストwan高速化装置

設問4 [WAN高速化装置の導入〕について,WAN高速化装置が故障しても通信を継続するために必要な機能を二つ挙げ,それぞれ25字以内で具体的に述べよ。
正解は以下です。
・自動的にケーブル接続と同じ状態になる機能
・対向側の故障を検知し,通信を継続する機能

上はバイパス機能(フェールオープン)と考えていいでしょう。
下に関して補足します。WAN高速化装置は、2台が連携して機能します。なので、相手が故障していた場合には、WAN高速化の技術を停止させるべきです。そのことを言っています。