ルーティングには,静的ルーティングと動的ルーティングがあることをお伝えしました。詳細な設定はこのあとの節で解説しますが、両者の違いを簡単にまとめておきます。
まず、静的ルーティング(スタティックルーティング)は、経路情報が静的(固定)で、自動で変化することはありません。設定方法は、管理者が手動でルータに設定します。ですから、経路情報が増えてくると、管理者は大変です。
一方の動的ルーティングは,RIPやOSPFに代表されるものであり,経路情報を他のルータから自動で学習します。また、LANケーブルの切断や機器の障害などが発生した場合には、経路情報は自動で切り替わります(動的に変化)。
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動的ルーティングのデメリットはないのですか?
もちろんある。動的ルーティングのデメリットですが、その一つは、経路情報が増えると、ルータに負荷がかかり、処理が遅くなることです。ですが、ネットワークを適切に分割したり、規模に応じた処理性能が高い機器を購入すれば対処ができます。ネットワークの規模が大きくなれば、動的ルーティングは必須と考えてください。
両者の違いを簡単にまとめます。

 

静的ルーティング

動的ルーティング

代表例

スタティックルーティング

RIPOSPFBGP

経路情報の設定

管理者が手動で設定

ルータどうしが情報を交換して自動で設定

メリット

設計した人の意図通りの確実な経路選択がされる

・自動で最適なルート選択が可能

・障害時に自動で経路変更が可能

デメリット

大規模な場合,経路情報が大量になる(設定が複雑で,間違いが起こりやすい)

ルータに負荷がかかり,処理が遅くなることがある。(このため,OSPFではエリア分割をする)

✚✚ 静的ルーティングと動的ルーティングの違い

これ以降、試験で問われるRIP、OSPF、BGPの解説をしますが、仕組みの違いだけ整理しておきます。
RIP
ディスタンスベクター(距離ベクトル)型で、ディスタンス(距離)とベクター(方向)で経路を決めます。ただ、距離の決め方はホップ数(ルータの数)という単純な方法なのでこの方式には限界があります。
OSPF
リンクステート型アルゴリズムで、リンク(接続)状態で経路を決めます。経路決定にはコストが重要な考え方です。
BGP
パスベクトル型アルゴリズムで、RIPのディスタンスベクタと同様に、パスとベクター(方向)で経路を決めます。ここでのパスとは、ASパス(AS_PATH)を意味します。ASパスには、接続先ネットワークへのASの経路情報を含んでいます。具体的には、どのASを経由して宛先に届くかという情報です。

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