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ネスペ試験の合格体験談、合格のコツ、過去問解説、基礎知識などの情報を掲載します。

カテゴリ: 11.ルーティング

女性腕組み
そもそもルーティングとはなにか?
Routingは「経路制御」や「経路選択」と訳すことが多いと思う。

経路選択は、電車の乗り換えに似ていると思う。
 例えば、埼玉から大阪のUSJに行く場合、飛行機という経路を使ったり、新幹線という経路を使う場合ある。経路選択のポイントはコストと時間であろう。ネットワークの経路においては時間による経路選択が主になる。(※ISDN回線はコストが高いから異常時しか利用しないといった、”コスト”面での経路が無いともいえない。)

 また、似ているといったのは別の面もある。例えば、新幹線で東京から大阪まで行くとする。この新幹線は大阪までは責任をもって送り届けてくれるが、大阪から先のUSJまでは一切関与しない。ルーティングも同じで、当該ルータは次のルータまでは責任を持つが、その先は関与しない。「その件に関しましては、行った先(次のルータ)にてお問い合わせください」というスタンスである。
 デフォルトルートなんてまさしくそうだ。「目的地までどう行くかは、存じ上げておりません。デフォルトゲートウェイに行って、そこでお尋ねください。」
ルーティングの仕組みにおいて、なぜこうなるかは理解しておきたいところだ。

また、「合格のコツ」において、”基礎が大事”と書いた。
基礎という言葉は抽象的であるため、基礎ができているかの判断基準を以下に設けた。

理解できているかを確認してほしい。
1)ASとは何?
2)なぜ、IGPとEGPで分けているのか?
3)RIPのV1とv2の違いは?
4)なぜRIPは大規模ネットワークに向かない?
5)なぜ、AS間のルーティングプロトコルはBGP?
6)中規模ではOSPFが使われる理由は?

女性腕組み

RIPの特徴をいくつか書きます。
・ディスタンスベクター型・・・メトリック値(ルータの数)で最短経路を判断する。(デメリットである場合もある)
ディスタンス(距離)とベクター(方向?)なので、距離と方向という考えもできる。

・ホップ数を使う。最大ホップ数は15。
・30秒毎に経路情報を交換する(レギュラーアップデート)。UDPによるブロードキャストで実施する。
・・・

これくらいで十分でしょう。試験ではそれほど深い内容は問われません。
過去問に詳しい事例が載っているので紹介します。
http://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2011h23_1/2011h23tokubetsu_fe_pm_qs.pdf

◆以下は詳細情報です。
※テストには出ないでしょう。参考としてください。

・レギュラーアップデート(30秒):UDPを利用したブロードキャスト。RIPv2ではマルチキャストに改良されている。
・ホールドタイマ(180秒)間、レギュラーアップデートを受信しなかった場合、このルーティング情報は無効と判断する。※180というのはレギュラーアップデート(30秒)を6回分である。
・ガベージコレクション(120秒)を待ってから、ルーティングテーブルから削除する
・スプリットホライズン:ルーティングのループを回避するために、受信した側へはルーティング情報を流さない。Split Horizonとは水平分割という直訳になるだろうか。どっちが垂直でどっちが水平かは分からないが、とにかくルーティングを送信する側と受信する側で分割するという意味だと思う。分割した上で、流す方向と流さない方向を決める。

・トリガーアップデート:30秒のレギュラーアップデートをまたずに、障害
などのトリガーによってUpdateする。とはいっても、ホールドタイマとガーベジコレクションの時間は必要であるため、迅速なコンバージェンスは不可能。所詮30秒以内の改善にしかならない。
これは、コンバージェンスの高速化を狙っているのではなく、ルーティングによる不具合をなくすために行っているのである。

・ポイズンリバース:Poison Reverse 逆方向にPoison(到達不能を意味するメトリック16という”毒”)を流す。目的はスプリットホライズンと同じだと思う。流さないのがスプリットホライズンで、意図的にNGを流すのがポイズンリバース。

ルーティングとは、「乗り換え案内」と考えればよい。
大阪駅において、目的地ごとにどこに行けばいいかの経路が示されます。
々眥弌、(次の駅は)新大阪
USJ(ユニバーサルシティ駅) →(環状線に乗って、次の駅は)福島
L掌轍亜、(次の駅は)新大阪 ※新幹線に乗ります。
こんな感じです。
keiro
女性直立
でも、ルーティング処理を行うのは、
ルータやL3SWだけですよね。
いや、IPアドレスを持つすべてのネットワーク機器がルーティングが可能であり、ルーティングが必要です。実際、パソコンもデフォルトゲートウェイを設定しており、これはルーティングになります。乗り換え案内でも、各駅で経路情報を持っていると同時に、個人でも経路情報を持ちます。
大阪駅の近くにあなたがいる場合、最終目的地が)務て察↓東京、D姪軍佞覆匹砲茲辰董△匹海帽圓かを「乗り換え案内」にて確認します。
dest
ためにし、パソコンからコマンドプロンプトを立ち上げ、ルーティング情報を表示するコマンドである netstat -r と入力してみましょう。
iproute 
このように、ルータで見るような経路情報がたくさん出てきます。
ゴミもたくさんあって見ずらいですが、一番下の固定ルートだけ見てください。
0.0.0.0/0(全てのトラフィック)のゲートウェイが192.168.1.254になっています。
これにより、どんな通信も192.168.1.254に行きなさいという指示です。
では、経路情報を追加しましょう。以下のように、インターネット以外に、172.16.1.0/24というネットワークがあり、PCからは192.18.1.253というルータ経由で通信するとします。

route
以下のように入力してください。

C:\WINDOWS\system32>route add 172.16.1.0 mask 255.255.255.0 192.168.1.253 metric 1 -p
-pはpermanent(恒久的)という意味で、再起動しても保存されます。

再度、コマンドプロンプトで見てみましょう。追加したルートが表示されることが確認できます。
route2

RIP2はRIPのversion2である。
では、RIP2による改良点は何でしょう?
女性直立

これは分かりますよ。
「サブネットマスクに対応した」
正解!!
最低限そこは覚えましょう。
また、RIP2はRIPと互換性があります。

以下に違いを整理します。

◆RIPと比べたRIP2の改良点
1) サブネットマスクに対応した。 
2) レギュラーアップデートなどの情報交換をRIPではUDPを利用したブロードキャストで行っていたが、RIPv2ではマルチキャストに改良された。
3) 認証機能(パスワードを確認してからアドバタイズをうける)

過去問で力試しをしてください。正解以外の選択肢に関しても、なぜ違うのかを説明できるようにしましょう。
【H18NW午前 問30】
RIP及びRIP2の仕様に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア RIPでは情報交換にブロードキャストを使うが、RIP2ではユニキャストを使う。
イ RIPと同様にRIP2でもサブネットマスクを運ぶ機能がある。
ウ RIPには最大15ホップまでという制限があるが、RIP2では制限が拡大されている。
エ RIPには認証機能がないが、RIP2では更新情報のメッセージごとに認証ができる。

正解:エ

◆ポイント
・RIP2による変更点を覚えましょう
・RIPとRIP2は互換性があります

ルータの経路制御方法について、過去問(H23FE午後問4)には以下のように述べられている。
ルータは,二つ以上の異なるネットワークをまたいだ通信における通信経路の選択を,ルータ内の経路制御情報を格納したテーブルに基づいて行う。
このテーブルが、ルーティングテーブルである。
RIPの場合の例を、この過去問を基に紹介する。
まず、構成図は以下である。
route
送信先ネットワークアドレス転送先ルータのIPアドレス 距離
10.0.0.0/24-0
10.0.1.0/24 -0
10.0.2.0/2410.0.1.21
10.0.3.0/2410.0.1.22
また、次の補足もある。
←転送先ルータのIPアドレスの-は,送信先ネットワークとこのテーブルをもつルータが,直接つながっていることを表す。
←ルータ1がネットワークCに接続された端末あてのパケットを受信したとき,そのパケットはIPアドレス10.0.1.2のルータ(ルータ2)に転送すればよいことを表す。

◆AS
・ASとは自律システムとう意味だが、自律システムというとよく分かりにくい。
・直訳は、「Autonomous=自治の、独立した」という意味。
よって、AS=独立したネットワーク(システム)と考えればいいだろう。
・過去問では、自律システムのことを、「単一のルーティングポリシによって管理されるネットワーク(H18NW午前 問23)」と述べている。
・ちょっと乱暴ではあるが、AS=各ISPと思っていいだろう。

◆AS番号
・IANA(Internet Assigned Numbers Authority:アイアナ)が割り当て、日本ではJPNICが管理している。
※IANAの業務は、1998年に設立された国際的組織であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が行っている。
・AS番号は16ビットで構成されており、1〜65535の値をとる。
・このなかで、64512〜65535はプライベートASと呼ばれ、プライベートIP
アドレスと同様に企業が自由に割り当てることができる。

1.IGP(Interior Gateway Protocol)
自律システム内で利用する(ことが多い)。
例:RIP、OSPF

2.EGP(Exterior Gateway Protocol)
自律システム間で利用する。
例:BGP

インターネットすべてのルーティングを統一して制御することは困難。そこで、ASという単位を設け、「AS内は自分たちで管理してよ」ということからこの仕組みが始まった。国と地方自治の関係と同じ。

しかし、愛知県と岐阜県で交換したくない情報もあるはず。
だから、その点を考量しているルーティングプロトコル。
がEGPである。たとえば、BGPであれば、両者の情報交換はAS番号のみ。

女性直立

BGPの特徴を理解しましょう。
・自律システム間で利用するルーティング
IGPとEGPでも述べましたが、AS間のルーティングなので組織内の情報は伏せられている。
組織内の情報とは、IPアドレスとサブネットマスク情報。
そこで、AS番号だけでルーティングする。
・過去問では、IPネットワークのルーティングプロトコルの一つであるBGP-4の説明として、「自律システム間を接続する場合に使用され、経路が変化したときだけ、その差分を送信する。(H18NW午前 問23)」と述べている。
・BGP-4の4はVersion4を意味している。
・AS間の通信を扱うBGPでは信頼性の高さが求められている。

当然ですよね。
愛知県名古屋市内の道路1本が不通になるのと、県をまたぐ高速道路が不通になるのは意味合いが違いますから。
だから、RIPとは違い、BGPでは経路情報交換に、UDPではなくTCPを使っています。参考までに、BGPはTCPの179番ポート、RIPはUDPの520番を使って経路情報の交換を行う。OSPFはIP上で直接動作するので、TCPやUDPという概念はない。(TCPとUDPの違いはTCPとUDPのページで確認ください。)

以下これ以降はテスト対策より踏み込んでいるので、参考レベルと考えてください。

・BGP(Border gateway protocol)の直訳は、境界ゲートウェーイでのプロトコルという意味。つまり、ASの境界において、他のASとルーティング情報を交換するプロトコル。
・BGPスピーカ:BGPが設定されているルータ。同一AS内にはBGPで動作するルータとOSPFなどのIGPで動作するルータが混在することが一般的である。
・IBGP(Internal BGP):AS内のBGP。つまり同一AS番号でのBGP
・EBGP(External BGP):AS間のBGP。例えば異なるプロバイダ間でのBGP
※なぜ、IBGPとEBGPで分ける必要があるのか?
AS間は別のISP同士と思えばいいので、管理者が別になる。ということは設定も各々がバラバラ。バラバラで通信できるような設定が必要。AS内では同一管理者が一環したポリシーで設計できるので、冗長化などの高度な設定が可能。

★かなり補足 ※知らなくていい。
AS_PATH属性について。
 ルート情報は、ASを経由するごとに、経由したAS番号を付加していきます。これにより、複数の経路情報があるときに、どちらが最短かを判断する基準の一つになります。
また、自分のところにルーティング情報が帰ってきても、ループを発見できます。
ルート情報の例
1)AS1からルーティング情報を発信
  [1.1.1.0/16][AS番号 1]
2)AS2を経由して転送
  [1.1.1.0/16][AS番号 1] [AS番号 2]
3)AS3を経由して転送
  [1.1.1.0/16][AS番号 1] [AS番号 2] [AS番号 3]

※ルート情報に自分のAS番号があれば、ループであることがわかる。
※このようにパス属性を用いた経路制御のことをパスベクタ型という。

ルータ
ルータの機能に関して過去問(H22春AP午前問37)では、「LAN同士やLANとWANを接続して,ネットワーク層での中継処理を行う」と述べられています。また、過去問(H26春AP午前問31不正解選択肢)では、「IPアドレスを解析することによって,データを中継するか破棄するかを判断する」とあります。相手先に送るべきIPアドレスであれば、中継するのです。
ルータに関しては、「ルータとレイヤ3スイッチングハブ」の記事も参照ください。

ゲートウェイ
過去問では、ゲートウェイの機能として、「OSI基本参照モデルのトランスポート層からアプリケーション層までの階層で,プロトコル変換を行う(H23秋AP午前問35不正解選択肢)」、「互いに直接,通信ができないトランスポート層以上の二つの異なるプロトコルの翻訳作業を行い,通信ができるようにする(H26春AP午前問31不正解選択肢)」とあります。

また、意味は異なりますが、デフォルトゲートウェイという言葉は、PCのネットワークの設定において、皆さんに馴染み深いでしょう。デフォルトゲートウェイの役割として、過去問(H27春IP問49)では、次のように述べられています。
「あるネットワークに属するPCが,別のネットワークに属するサーバにデータを送信するとき,経路情報が必要である。PCが送信相手のサーバに対する特定の経路情報をもっていないときの送信先として,ある機器のIPアドレスを設定しておく」 

OSPFはこれまでの過去問では、踏み込んだ問題があまり出題されていない。午前問題で少し取り上げられているのと、H20の午後2で軽く問われているだけである。
OSPFの概念や基本的な言葉は知っておくべきであるが、あまり踏み込んだ勉強は不要かもしれない。まして、CCNAで出てくるような内容までは不要と考える。
1

そもそも、OSPFはなぜ必要なんでしたっけ?
RIPでも十分では?
この、コストという概念があるのが利点の一つである。RIPはホップ数という、ルータの数でしか経路制御ができない。100Mの回線と1Mの回線では、当然100Mを優先した経路制御が求められ、それを実現するにはOSPFが必要だ。

ではここで、過去問を中心にしたOSPFの基本的な内容を以下に述べる。

■OSPFの基本的な内容
・コストという概念を用いている。
・過去問では、OSPFの経路選択に関して「経路選択方式は、エリアの概念を取り入れたリンク状態方式である。(H19NW午前 問28)」と述べている。※リンク状態方式言葉よりもリンクステート型アルゴリズムという言葉のほうが馴染み深いであろう。
・コストが小さい経路が優先される。また、同コストの場合、負荷分散される。(H14NW午前 問44を参照)
・過去問では、IPネットワークのルーティングプロトコルの一つであるOSPFの説明として「ネットワークをエリアと呼ぶ単位に分割し、エリア間をバックボーンで結ぶ形態を採り、回線速度などを考慮した最低コストルーティングを行うプロトコルである。(H20NW午前 問28)」と述べている。
・中規模なネットワークで利用されることが多い。※何をもって中規模というかであるが、少なくともRIPは小規模。

◆過去問より引用
OSPFでは,[ ア ]と呼ばれるメトリックを扱います。
(中略)
OSPFを使用する場合には,L3SW相互がOSI基本参照モデルの[ イ ]層によって通信できる必要があるので,IPパケットを中継する方式では駄目です。OSPFでのブロードキャスト可能なネットワークにおける経路制御用の通信はIPマルチキャストであり,IPアドレスの先頭バイトの値が[ a ]であるクラスDのIPアドレスが使われています。(H20NW午後1問4)
参考までに、答は以下です。
ア コスト
イ データリンク
a 224

ではここで、OSPFの設定をCiscoルータの場合で紹介する。その意図は、どういう設定がされているかをみることで、理解を深めるためである。
ip routing ←ルーティングを有効にする
ip classless ←クラスレスルーティング
router ospf 1 ←1はプロセスIDで、複数のプロセスを持つ場合に使う。(あまり気にしない)
network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0 ←ルータが持つセグメントを記載する。今回のエリアは0
network 192.168.2.0 0.0.0.255 area 0
とてもシンプルで簡単です。

◆参考:試験では問われないだろうと思う内容
 これ以降はテスト対策以上に踏み込んでいるので、参考レベルで。・リンクステート型アルゴリズムである。(OSPFのほかにははIS-ISがある)
・LSA(Link-State Advertisement)リンク情報を広告。DRとBDRにのみ送信する。
※全ルータに送信したらトラヒックが莫大になる。そこで、エリア内に各1つずつ選出されたDRとBDRとのみ、リンク情報を交換する。
※経路情報はマルチキャストまたはユニキャストで送信する。ここはRIPv1のブロードキャストより優れている。
・LSAを元にLSDB(Link-State DateBase)を作成。
・Ciscoは一般的に1エリアあたり50ルータを超えないことを推奨。
・OSPFはTCPもUDPも利用しない。独自のOSPF(89番)を利用。
・各エリアは必ずエリア0とつながっている必要がある。
・LSA(Link State Advertisement):リンクステート情報のアドバタイズ(広告)によって情報交換をする。
・LSDB(Link State Databese):LSAによりLSDBという自分を中心としたリンクステートのデータベースを保有する。
・ABR(Area BorderRouter) エリア境界ルータ
・ASBR(AS Boundary Router) AS間をまたぐルータ。

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