令和6年(R6)のネットワークスペシャリスト試験に見事合格された方に、合格体験談をいただきました。1回で合格された方から、何度もチャレンジして合格された方まで、さまざまです。
また、勉強方法も考え方もさまざまですが、皆さんの勉強の一助として、そして、モチベーションUPにもつながると思います。
合格者の皆様からいただいた貴重な合格体験を、是非ご覧になってください。
■合格体験談をいただいた方の一覧
1. スマローさん
▼0.ハンドルネームを教えてください。
スマロー
▼1.スコアを教えてください。
午前1 免除
午前2 76
午後1 66
午後2 64
▼2.何回目の受験ですか?
4回目
▼3.受験の動機は何ですか?
ネットワーク技術ってすげーっ! と感動してハマったからです。
私は大学も仕事も非IT系でテクノロジーとは無縁な人生を送ってきたのですが、仕事でなぜかファイルサーバ構築のタスクを割り振られたのをきっかけに、ネットワーク技術に興味をもつようになりました。このときは本社からの指示書どおりにやってるつもりなのに全然うまくいかなくて、本社の情シスに電話でいろいろ聞きながら進めたのですが「プロキシが~」とか「ポートが~」とか「固定IP? DHCP?」とか言われて意味不明すぎてお互いにムカついてま
した(笑) しかし、苦労の末に自社ネットワークに接続したファイルサーバにiPadからアクセスできるようになったときには、言葉にならない感動を覚え、それ以来ネットワークを勉強したいと思うようになりました。そして、ネットでネットワークの学習方法について検索しているうちにネスペのことを知りました。しかしもちろん内容が意味不明だったので、これは一から体系的に学ばないと何もわからないなと痛感し、ITパスポート試験から順番に受験してい
くことにしました。
▼4.どういう勉強しましたか?
正直、ほぼテキストの読み込みや過去問演習のみです。実務に携われる立場にないので実機に触る機会はありませんでした。ただ、現在では仮想環境でほぼ実機並みの仮想ネットワークが構築でき、それを利用してネットワーク構築の練習をするテキストも存在するので、今回ももしダメだったらそちらに手を付けようと考えていました。
加えて、個人的にはSCの受験もおすすめしています。SCはネスペと知識体系が重なっていて、正直ネスペの下位互換のような試験なので、私のようにネスペに落ちてしまった後の秋試験や、春試験で応用情報に合格して次のネスペまで1年空く場合などには、SCの勉強➡︎ネスペの勉強という流れにすることで1年間継続してネットワークの勉強に取り組むことができます。
▼5.役に立った勉強教材を教えてください。
◯テキスト系(教科書的役割)
『図解入門TCP/IP 仕組み・動作が見てわかる』
『インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門書 第2版』
『インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク・デザインパターン』
➡︎左門先生と並んで、上記書籍の著者みやたひろし先生も私にとっての恩師です。テキスト系はみやた先生の書籍を中心に勉強しました。
『マスタリングTCP/IP―入門編―』
➡︎ド定番の名著。
『ネットワークはなぜつながるのか 第2版』
➡︎ネスペの勉強以前に、ネットワーク技術そのものに興味をもった私の想いに応えてくれた一冊。ネットワークというのは、一部の天才達が我々凡人達でも使えるようにあらゆるケースを想定して構築された技術の結晶なんだということを教えてくれました。
◯過去問系(問題集)
『ネスペシリーズ』全巻 踏破
▼6.過去問は何年分を各何回実施しましたか?
『ネスペの剣25』~『ネスペ27 礎』までは趣味でというか、“ネスペシリーズが好きだから”という理由で、1周ずつ取り組んだという感じです。出題される技術もだいぶ古いバージョンのものが多くなってきた(TLSが1.2とか)ので、無理にやらなくても良いと思います。私は好きだからやりました。
『ネスペの基礎力』は誰もが認める良書だと思います。しかし敢えて一つ欠点を挙げれば、付属している平成28年度の問題がいずれも非常に難しいので、前半の技術解説を読み込んでもその後の過去問を理解しきれないジレンマがあります(例えば前半にVRRPの説明が丁寧になされているものの、H28で出題されたVRRPはルータではなくメールサーバで使われるという特殊な形だった)。
『ネスペ29 魂』~『ネスペR5』までは最低3回は周回しました。R1~R5は4、5回は周回しました。何周しても間違えるところがあるので、私に取っては本当に難しかったです。
▼7.最新技術の勉強はどれくらい行いましたか?
まったく取り組んでいません。だからIPv6が午後試験で出題される前に早くいち抜けしたいとずっと思ってました(笑)
▼8.模試は受けましたか?また、受けた方が良いですか?
受けていません。
受けた方が良いとは思いますが、個人的に予備校には頼らないことに意地になってました。無駄な意地でした。
▼9.本試験では、どの問題を選びましたか? また、その選び方は?
①午後1 問1,2
➡︎いつも「穴埋め問題をどれくらい埋められるか」で選んでいます。これでその大問で取り上げられている技術に対する自分の理解度をある程度測れると考えていて、事実、午後1で落ちたことは1度もありません。
②午後2 問2
➡︎SCに合格しているので、セキュリティ系の問題に得意意識が芽生え自然と選びがちになりました。R5年度の午後2もセキュリティ要素の強かった問2を選び、このときも正直「午後1が通ってれば絶対に合格しただろ!」という手応えに満ちていましたが、結果は午後2が59点で落ちました(笑)
▼10.試験は簡単でしたか?
午後2問2に関しては、私の点数は芳しくありませんが、正直簡単だったと思います。設問不備があって配点や得点調整等が複雑に絡み合いよくわからないことになってしまいましたが、問2選択者の多くは「午後1さえ通れば……」と思っていたと思います。
▼11.合格の場合、合格できた理由は何だと思いますか?(不合格時の比較などもあれば)
ありきたりな回答としては「受かるまで受けた」です。ただネットワークの勉強は本当に楽しくて、勉強することが全然苦痛じゃなかったという点も大きい気がします。ネットワークの知識が深まると、身近にある通信技術の仕組みに思考を巡らせたり、通信障害に関するニュースを見たときに説明されていることの意味が分かったり、世界が広がってゆくワクワク感があり、楽しんで勉強が継続できました。
▼12.(不合格時との比較も含めて)これはやってはいけない勉強のやり方
実機に触れず、テキストの読み込みと過去問演習のみで挑むことです。
非IT従事者はこれだと何回受けても60点前後の壁を突破できず、“最後は運”という状況から抜け出せません。徳を積むしかありません。
かくいう私は実機に触れずテキストと過去問だけで合格しましたが、採点者や得点調整に“今回は”恵まれたところがあると感じています。10年前は個人による仮想環境の構築があまり一般的ではなかったかもしれませんが、これからは仮想環境を構築して自分でいろいろとやってみることはマストだと思います。
▼13.モチベーションを上げたり維持するために工夫したことは何ですか?
結果論ですが、ネスペに落ち続けいてる期間の秋試験で受験したSCとPMに合格できたことが、モチベーション維持の最大の要因です。「他の高度試験には合格できた!」と自信がついた点もさることながら、直截的な恩恵として、午前1免除を切らさずにいられたのはかなり大きいです。
▼14.合格に最も大切なのはズバリなんでしょう。
勉強の習慣化です。私は通勤電車内の時間と、出勤前の喫茶店での1時間は必ず勉強することをマイルール化していました。習慣にすると続けることがまったく苦痛ではなくなります。
▼15.資格を取って一番得るものは何?(喜び、モチベーション、お金、実力、資格の肩書きなど)
資格獲得までの学習で、社内の情報セキュリティポリシーの内容や、情シスからの説明の意図、社内のネットワーク構成等が理解できるようになることです。資格なんか取らなくてもできる人にはできるのかもしれませんが、私は目指すモノ(資格)がなければそもそもここまで勉強することはできませんでした。また資格を取りきるまで勉強したことで「ただのちょっと詳しい人」から「ネットワークの資格を持っている人」に周囲の見る目が変わったような気
がしています。まったく業務に活かされることはないですが。
▼16.あなた様について教えてください。 (職種、年齢(or年代)、保有資格、など)
職種:営業・サービス業
年齢:40代
保有資格:IP➡︎SG➡︎FE➡︎AP➡︎SC➡︎PMの順で、最初からネスペ合格を最終目標に一歩一歩取得していきました。PMは余計ですが。
▼17.ブログ、書籍などへの転載可否
可
▼18.最後に一言お願いします。
ズブのIT素人がITパスポートの勉強から始めて、途中基本情報に3回落ち、ネスペにも3回落ちて、ここまで来るのに足掛け7年半が掛かりました。正直、同じような非IT従事者の方でも、同じ道をこれより早く到達できる方はいらっしゃると思います。ただ、”合格”の二文字には、そんな自分の至らなさや今までの苦労などどうでもよくなるほどの圧倒的な魔力があります。やはり59点と60点とでは見える景色が全然違います。
最後まであきらめないで、必ず”合格”を掴み取ってください。
2. ビッグバン36さん
▼0.ハンドルネームを教えてください。
ビッグバン36
▼1.スコアを教えてください。
午前1 免除
午前2 88
午後1 74
午後2 75
▼2.何回目の受験ですか?
3回目
▼3.受験の動機は何ですか?
ネットワークに詳しくなりたいのと資格手当のため
▼4.どういう勉強しましたか?
過去問対策がメイン。あと関連書籍を読む
▼5.役に立った勉強教材を教えてください。
ネスペシリーズ(R5~R1,30,29)
ネスペの基礎力
情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版
図解入門TCP/IP 仕組み・動作が見てわかる
DNSがよくわかる教科書
▼6.過去問は何年分を各何回実施しましたか?
2024年1月7日 開始(13年分)
R05:午後1→ 2回 午後2 → 3回
R04-H30:2回
H29-H23:1回
H21:1回
▼7.最新技術の勉強はどれくらい行いましたか?
日経NETWORKを購読して読んでたくらいです
▼8.模試は受けましたか?また、受けた方が良いですか?
受けていません。過去問を時間を測ってやれば十分かと思います。
▼9.本試験では、どの問題を選びましたか? また、その選び方は?
①午後1 問1,3
②午後2 問2
午後1は問2の穴埋めが全くわからなかったので、問1,3を選択。問3 のpacファイルは過去受験で間違えたので重点的に調べていた。
午後2は過去2回、問1を選択してダメだったので問2を選択(笑)
内容も問1のほうが難しそうだったので。
▼10.試験は簡単でしたか?
普通
▼11.合格の場合、合格できた理由は何だと思いますか?(不合格時の比較などもあれば)
IPAの個人情報開示請求から自身の過去受験の答案を取得して解答と比較・検証を行い
なぜ間違ったか、なぜ解答に至る答えを書けなかったのかを考えたことです。
そこで、問題文に対する理解を深めることが重要だと改めて感じました。
不合格の時は、過去問の解説を理解する深さが足らなかったと思います。
3回目の受験なので過去の勉強した分に上乗せできた点も大きいと思います。
▼12.(不合格時との比較も含めて)これはやってはいけない勉強のやり方
過去問演習で数をこなすだけで内容の理解を深めないこと。
▼13.モチベーションを上げたり維持するために工夫したことは何ですか?
過去問のチェックリスト(1年分で5枠[午後1→3枠]・[午後2→2枠])を作成し、やった回数を
正の字で数えて記載していくこと。(どれだけ進んでいるかを把握するため。)
間違えた箇所や深く理解したい箇所をノートにまとめて後で見返すようにしたこと
難しい過去問で思ったように解答できなくネガティブになっても気分転換を行って切り替えること
▼14.合格に最も大切なのはズバリなんでしょう。
継続した勉強を行うこと
問題文の理解を深めるため、ルーティングテーブルやフィルタリングルールなど
表を書き、パケットの流れを意識して理解するようにしたこと。
▼15.資格を取って一番得るものは何?(喜び、モチベーション、お金、実力、資格の肩書きなど)
合格したときの達成感! 体系的にネットワークを学べた点。それと資格手当(笑)
▼16.あなた様について教えてください。 (職種、年齢(or年代)、保有資格、など)
職種:プログラマ
年齢:50代
保有資格:基本・応用情報技術者、情報処理安全確保支援士、データベーススペシャリスト
▼17.ブログ、書籍などへの転載可否
可
▼18.最後に一言お願いします。
継続は力なり