ネットワークスペシャリスト - SE娘の剣 -

左門至峰によるネットワークスペシャリストの試験対策サイトです。勉強方法、合格体験談、合格のコツ、過去問解説、基礎知識などの紹介します。

各種プロトコル

1.MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)

MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)について

■1.概要
・今の時代、PCとPCやサーバを通信するプロトコルはHTTP(HTTPS)が中心。FTPやSMTP、telnet、SNMP、SMBなど、本当はいくつかあるけどね。
・MQTTは、PCやスマホなどはなく、工場の機械やセンサーなどのIoT機器の通信に適したプロトコル。
・メッセージ(Message)を、送信者と受信者の溝を埋めるためにキューに蓄積(Queuing)しながら、 Telemetry(遠隔測定)をTransport(運搬)する。だが、実際にはQueueはしていない。IBM時代の名前の名残のようです。
http://mqtt.org/ にいろいろ書いてある。たとえば、MQTTは、M2MやIoTの接続に利用する軽量なプロトコルですと。
・HTTP(HTTPS)に比べてヘッダサイズが小さい(2バイトしかない)。でも、他のヘッダは同じだよ。
[イーサ][IP][TCP][HTTP][データ]
[イーサ][IP][TCP][MQTT][データ]
※HTTPヘッダが結構大きい。

・軽量(つまり、データ量が少なくてすむ)プロトコルなので、電池で動くIoTのセンサーなどにとって、電源容量が少ないのは望ましい。
・MQTTはセキュリティ機能(認証や暗号)もある→TLSを使う。
・Publisher(送信者)もSubscriber(受信者)もトピック名を設定してメッセージを送ったり、受け取ったりする。
・間にブローカが入ることで、1対1ではなく、1対多の通信が簡単に行える。
・仕組みはメルマガに似ている。該当のメルマガに登録した人だけがそのメルマガを読める
・MQTTの詳細な仕様は以下が参考になります。http://public.dhe.ibm.com/software/dw/jp/websphere/wmq/mqtt31_spec/mqtt-v3r1_ja.pdf

■2.登場人物
・ブローカー(サーバ)
・Publisher(送信者)
・Subscriber(受信者)

■3.通信の流れ
・送信者は受信者を意識することなく、好きな時にデータを送ることができる。受信者との仲介をするのがブローカー。
・MQTTの通信をする前段として、送信者と受信者はブローカーにアクセスする必要があります。
・以下に流れをまとめます。
(1)送信者
 ①ブローカに接続します(CONNECT)
 ②トピック名を指定して、ブローカに対してメッセージを送信します(PUBLISH) 
(2)受信者
 ①ブローカに接続します(CONNECT)
 ②購読したいトピックに関して、ブローカに対してメッセージを送信します。(SUBSCRIBE)
 ③送信者のPUBLISHメッセージが届くようになる。

■4、実際にやってみよう。
Windowsでも簡単にできます。
(1)ソフトのダウンロード
ソフトは以下からダウンロードします。ブローカーとクライアントソフトの両方が使えます。
https://mosquitto.org/

ダウンロードページは以下です。私は、Windowsの64bit版
mosquitto-1.6.2-install-windows-x64.exe をダウンロートしてインストール
https://mosquitto.org/download/

(2)コマンドプロンプトから実行
コマンドプロンプトで、インストールされたフォルダに移動します。
c:\Program Files\mosquitto>

(3)ブローカーの起動
>mosquitto -v 
で起動。-vは詳細という意味なので、省略可能

ただ、今回は、ネット上のブローカ(test.mosquitto.org)を使うので、起動は不要。

(4)クライアント(購読者)を起動
もう一つコマンドプロンプトを立ち上げる
購読要求の(SUBSCRIBE)を実行する。
>mosquitto_sub -h test.mosquitto.org -d -t msg/network
-h:ブローカーのサーバを指定
-d:デバックメッセージの表示
-t:購読するトピック名

--------結果はこんな感じ

c:\Program Files\mosquitto>mosquitto_sub -h test.mosquitto.org -d -t msg/network

Client mosq/KydpkSJ1xV8n7irO7H sending CONNECT
Client mosq/KydpkSJ1xV8n7irO7H received CONNACK (0)
Client mosq/KydpkSJ1xV8n7irO7H sending SUBSCRIBE (Mid: 1, Topic: msg/network, Qo
S: 0, Options: 0x00)
Client mosq/KydpkSJ1xV8n7irO7H received SUBACK
Subscribed (mid: 1): 0

----------

このように、CONNECTとCONNACKによる接続と、msg/networkのTopiCを購読要求しています。

(5)クライアント(配信者)を起動
もう一つコマンドプロンプトを立ち上げる
メッセージの送信の(PUBLISH)を実行する。
mosquitto_pub -h test.mosquitto.org -d -t msg/network -m "I am a networkspecialist!"

-m:メッセージの内容

------------結果はこんな感じ

c:\Program Files\mosquitto>mosquitto_pub -h test.mosquitto.org -d -t msg/network
 -m "I am a networkspecialist!"
Client mosq/DQwypOw3cVO3Cstcfi sending CONNECT
Client mosq/DQwypOw3cVO3Cstcfi received CONNACK (0)
Client mosq/DQwypOw3cVO3Cstcfi sending PUBLISH (d0, q0, r0, m1, 'msg/network', .
.. (25 bytes))
Client mosq/DQwypOw3cVO3Cstcfi sending DISCONNECT

----------

また、さきほどの購読したプロンプトには、以下が表示される。

----------

Client mosq/KydpkSJ1xV8n7irO7H received PUBLISH (d0, q0, r0, m0, 'msg/network',
... (25 bytes))
I am a networkspecialist!

----------

ここまでで、6384bitでした。とても小さいですね。

■6.上記のパケットのキャプチャ
(1)CONNECT
mqtt_connect

(2)PUBLISH Messeage
mqtt

2.NTP

1.NTPとは

NTP(Network Time Protocol)は、言葉の通り、ネットワーク(Network)上の機器の時刻(Time)を正確に維持するためのプロトコル(Protocol)です。 また、TCP/IPのプロトコルを使って、端末(NTPクライアント)に時刻を配信するサーバをNTPサーバと言います。
余談ですが、東京都小金井市にあるNICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)では、日本標準時を決定・維持しているとともに、NTPサーバ(ntp.nict.jp)にて標準時を配信しています。
余談ですが、企業でもNICTのNTPサーバを指定していいようです。申請などは不要ですが、少しだけ条件があるみたいですが・・・
http://jjy.nict.go.jp/tsp/PubNtp/qa.html#q0-1
まずは過去問(H25春SC午後Ⅱ問2)を見てみよう。

過去問(H25春SC午後Ⅱ問2)
外部DNSサーバは,インターネット上の時刻サーバとの間で,[ a ]を用いて時刻同期を行っている。FW及び情報システムの各サーバは,外部DNSサーバとの間で,[ a ]を用いて時刻同期を行っている。






NTP
空欄に当てはまるのがNTPである。

NTPに関しては、ネットワークスペシャリスト試験の過去問(H19NW午後1問3)で詳しく問われた。その問題を見てみよう。

NTPに関して(H19NW午後1問3より)
〔NTPの仕組み〕
ネットワーク上の機器の時刻を正確に維持するために,NTP(Network TimeProtocol)を使用する。NTPは,次の2点を前提に設計されている。
・ネットワーク上に正確な時刻情報を保持する機器がある。
・時刻を同期させる機器間の通信で,要求電文と応答電文がネットワーク内で遅延する時間が等しい。
 NTPは,stratumと呼ばれる階層構造をもち,最上位の機器が,原子時計や標準電波,[ a ]用人工衛星などの正確な時刻源から時刻を取得し,下位の機器に提供する。遅延時間にばらつきがあると,時刻の精度に影響するので,時刻を同期させる機器は①ネットワーク的に近い方がよい。

(中略)

〔タイムサーバ〕
インターネット上にはタイムサーバが公開されているので,そこから時刻を取得することが可能である。その場合,②時刻を取得する機器を限定し,その取得した時刻を組織内に展開する構成が推奨されている。このように,インターネット上のタイムサーバを利用したとしても,社内にタイムサーバを設置したり,FWの設定を変更したりしなければならないので,正確な時刻源と同期するタイムサーバを社内に設置した方がよい。この形態は,③可用性の面でも,インターネット上のタイムサーバを利用するより優れている。

設問1 本文中の[ a ]に入れる適切な字句を答えよ。
設問2 NTPで使用される標準時を解答群の中から選び,記号で答えよ。
 解答群
ア DST    イ GMT    ウ JST    エ TAI    オ UTC
設問3 NTPの動作について,(1)~(3)に答えよ。
(1)本文中の下線①に示す”ネットワーク的に近い”とは,どのような状態を意味するか。20字以内で具体的に述べよ。
(2)本文中の下線②に示す構成をとることで,どのような問題の発生を回避できるか。40字以内で述べよ。
(3)インターネット上のタイムサーバを利用する場合,本文中の下線③に示す可用性の面で,劣ってしまう点は何か。25字以内で述べよ。

この問題の採点講評を読むと,NTPの目的などが簡単に理解できるので引用する。

様々なアプリケーションでタイムスタンプが利用されているが,時刻がずれてしまうと,ファイルやデータベースを共有した場合に不具合が発生したり,システム管理で重要なログが活用できなくなったりする。そうしたことから,正確な時刻設定への要求が高まっている。
本問では,正確な時刻を維持するための仕組みであるNTP(Network Time Protocol)を題材として,ネットワークエンジニアに知っておいてほしい基本的な知識と,タイムサーバ導入を通じてネットワークを構築する能力について問う。






試験センターの解答例は以下である。
設問1  a:GPS
設問2  オ
設問3 
(1) ・経由するネットワーク機器が少ない状態
     ・伝送遅延時間が小さい状態
(2) 特定のサーバに負荷が集中し,確実に時刻を取得することが困難になってしまう問題
(3) タイムサーバヘの接続性が保証されない点

もう一つ、過去問(R3春SC午後2問1)をみてみよう。

過去問(R3春SC午後2問1)
N社が提供したログの大半は,記録されていた時刻情報の【 a 】が日本標準時であり,協定世界時に対し時刻情報が【 b 】時間進んだ値で記録されていた。しかし,協定世界時で記録されていたログ,【 a 】を示す情報が記録されていなかったログも存在した。
2.GMTとUTC

GMT(Greenwich Mean Time)は、グリニッジ標準時ですので、経度0であるイギリスのグリニッジ天文台の時刻を指します。
UTC(Coordinated universal time)は協定世界時と言われ、GMTの世界標準版です。GMTとはコンマ何秒のズレしかなく、ほぼ同じ時刻を指します。同じものとして考えてもいいでしょう。

3.Ciscoスイッチにおける、NTPによる時刻同期の設定

Ciscoスイッチにおける、NTPによる時刻同期の設定を紹介します。
(1)現在の時刻を見てみましょう。
Switch#sh clock
*00:08:26.235 UTC Mon Mar 1 1993
1993年って、いつの時代でしょうか。全然違う日付になっています。

(2)NTPプロトコルを用い、NTPサーバと時刻同期をします。
接続先は、社内のNTPサーバがあれば、そこを指定しましょう。
指定するNTPサーバが機器ごとに異なると、時刻がずれる
危険があります。
今回は、公のNTPサーバとして、情報通信研究機構(NICT)のNTPサーバ(ntp.nict.jp)に接続してみましょう。
http://jjy.nict.go.jp/ntp/

(3)その前に、IPアドレスの設定
NTPサーバと通信するので、IPアドレスを設定します。
デフォルトゲートウェイと、名前解決のためにDNSも設定しておきましょう。

Switch(config)#int vlan 1
Switch(config-if)#ip address 100.64.1.33 255.255.255.0
Switch(config-if)#no shutdown
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#ip default-gateway 100.64.1.1
Switch(config)#ip name-server 8.8.8.8

(4)NTPサーバの指定
NTPサーバとして、NICTのサーバを指定します。

Switch(config)#ntp server ntp.nict.jp
Switch(config)#end

しばらくして、時刻を確認すると、正しい時間に設定されています。

Switch#sh clock
00:04:31: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
00:04:41.571 UTC Sun Jul 14 2019

3.RADIUSやLDAP

1.認証サーバで利用するプロトコル

認証サーバで利用するプロトコルには、RadiusとLDAP、ActiveDirectoryで使うプロトコルなどが主である。
ネットワークスペシャリストを目指す女性SEあれ?

RadiusサーバもADサーバも、どちらもユーザ情報を持った認証サーバですよね。
LDAPも同じですか?
はい、そう考えてください。Radiusにしてもそうですが、Radiusはプロトコルであり、認証サーバはRadiusサーバと呼ばれます。LDAPも同じで、LDAPはプロトコルですが、LDAPサーバというと、ユーザ情報を持った認証サーバを指します。
※ADに関しては、プロトコルはNTLMv2などを使います。
ネットワークスペシャリストを目指す女性SEハテナ

RADIUSサーバとLDAPサーバの使い分けはどうするのですか?
外部からのリモートアクセスや無線LANの認証などのユーザ認証ではRADIUSが利用されます。一方、LDAPサーバは、ディレクトリサービスで利用されます。ディレクトリサービスですから、階層構造で管理される社員の情報および部署やアクセス権など、多くの情報を管理できます。それらの複雑な社員の属性情報を管理する場合に、LDAPサーバおよびLDAPのプロトコルが利用されます。

以下、簡単に図にした。ADだけはプロトコルが異なるが、試験に出るのはネットワークスペシャリストではRadiusがメイン(とはいってもほとんど出ない)、情報処理安全確保支援士であればLDAPであろう。

2.RADIUS

RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)とは、認証サーバに認証情報を問い合わせるときに利用するプロトコルです。利用シーンとしては、Remote Authentication Dial Inというフルスペルにあるように、ダイヤルアップの認証、無線LANの認証サーバ、SSL-VPN装置、などがあります。

(1)構成例

登場人物は以下の3つである。
❶利用者
❷RADIUSクライアント
❸RADIUSサーバ

例として、以下のようになる
PC ----→ SSLVPN装置 ----→ RADIUSサーバ
PC ----→ AP -----→ RADIUSサーバ

SSL-VPN装置やAPはNAS(Network Access Server)と呼ばれる。
また、RADIUSサーバに対してRADIUSクライアントとして働く。
つまり、RADIUSサーバに対して、IDやパスワード情報を送信する。

(2)そもそも、なぜRADIUSが必要なのか

たとえば、SSL-VPN装置において、RADIUSを使わなくても認証はできる。SSL-VPN装置にユーザ情報を登録すればいからです。
1 

なぜRADIUSが必要なんですか?
目的は以下である。
①ユーザの一元管理のため。複数の認証をする場合、それぞれの装置でユーザを管理する必要がある。
②上記に関連するが、管理の容易性。一元管理なのでログの集約、利用状況の管理などが行いやすい。
③高度な機能を持つことが多い。たとえば、EAP-TLS対応など

(3)過去問(H25SC春午前2問7)を解いてみよう

過去問(H25SC春午前2問7)
問7 無線LAN環境に複数台のPC,複数のアクセスポイント及び利用者認証情報を管理する1台のサーバがある。利用者認証とアクセス制御にIEEE 802.1XとRADIUSを利用する場合の実装方法はどれか。

ア PCにはIEEE 802.1Xのサプリカントを実装し, RADIUSクライアントの機能をもたせる。
イ アクセスポイントにはIEEE 802.1Xのオーセンティケータを実装し,RADIUSクライアントの機能をもたせる。
ウ アクセスポイントにはIEEE 802.1Xのサプリカントを実装し,RADIUSサーバの機能をもたせる。
エ サーバにはIEEE 802.1Xのオーセンティケータを実装し, RADIUSサーバの機能をもたせる。|





正解はイである。

3.LDAP

LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)は、すでに述べた通り、ディレクトリサービスである。階層構造で管理される社員の情報および部署やアクセス権など、多くの情報を管理できる。

過去問(R2SC午後1問2)に、ディレクトリサーバの機能例があるので紹介する。空欄も答えてほしい。

ディレクトリサーバの機能例(R2SC午後1問2より)
f:id:seeeko:20210425183849p:plain






正解はもちろんLDAPである。

別の過去問(H22秋SC午後Ⅱ問2)をみてみましょう。

過去問(H22秋SC午後Ⅱ問2)
LDAPのアカウント情報では, inetOrgPersonといったオブジエクトクラスによって組織の利用者の情報を管理する標準的な[ b ]を用いている。例えば,製品開発部のスズキタロウ氏が社内で利用するLDAP用のアカウント情報を[ c ]によってテキスト形式で示すと,図7となる。
---------- 図7 ここから ----------
dn: uid=suzuki,ou=seihin-kaihatsu,dc=a-companyen: Taro Suzuki
sn: Suzuki
objectclass: top
objectclass: person
objectclass: organizationalPerson
objectclass: inetOrgPerson
ou:製品開発部
teleDhonenumber:03-XXXX-5555
c=com
  図7 LDAPにおけるスズキタロウ氏のアカウント情報(抜粋)
---------- 図7 ここまで ----------






さて、空欄ですが、以下が入ります。
b スキーマ
c LDIF
ネットワークスペシャリストを目指す女性SEあれ?

LDAPの通信は暗号化されていますか?
いえ、は暗号化されていないので、暗号化するにはLDAP over TLSを使います。

過去問(H21春SC午前Ⅱ)をみてみましょう。

過去問(H21春SC午前Ⅱ)
問10 通信の暗号化に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア IPsecのトランスポートモードでは,ゲートウェイ間の通信経路上だけではなく,発信ホストと受信ホストとの間の全経路上でメッセージが暗号化される。
イ LDAP クライアントがLDAPサーバに接統するとき,その通信内容は暗号化することができない。
ウ S/MMEで暗号化した電子メールは,受信側のメールサーバ内に格納されている間は,メール管理者が平文として見ることができる。
エ SSLを使用すると,暗号化されたHTML文書はブラウザでキャッシュの有無が設定できず,ディスク内に必ず保存される。






⇒正解はア
イに関しては、LDAP over TLSを使うことで通信内容を暗号化することができます。

4.STUN

H28年秋NW午後Ⅱ問1では、STUN(Session Traversal Utilities for NAT) の仕組みについて問われました。
STUNはビデオチャットなどのWebRTC(Web Real-Time Communication)などで利用される技術です。
インターネットに出るときはグローバルIPアドレスを使いますが、通信をしようとするPCは、自分のグローバルIPアドレスが何かを知らないものです。でも、通信相手と通信をするためにはプライベートIPアドレスでは通信できません。そこで、自分のグローバルIPアドレスを知る仕組みが必要で、それがSTUNの仕組みです。具体的には、STUNサーバに、教えてもらいます。

以下は、過去問です。これをいきなり読むと、難しいですよね。

図4の例では,ブラウザ2上のAPがSTUNプロトコルを用いてSTUNサーバ1,2から〈g2〉を得て,それをブラウザ1上のAPに通知する。
 STUNプロトコルの概要は次のとおりである。
・STUNクライアントは, STUNサーバヘBindingリクエストを送る。
・ STUNサーバは,受け取ったIPパケットのヘッダから送信元のIPアドレスとポート番号を取り出し,Bindingレスポンス中のデータに格納して返す。

ネスペシリーズの最初の本の作成経緯

ネスペの剣25の作成の経緯を報告します。
■2013.5.21 
 本を出したい私は、書籍の企画を4つ作り、出版社に飛び込みで応募。その4つの企画はかなり作りこんだものである。イラストレータにイラストを描いてもらい、ボリュームたっぷりの原稿を書き上げて送付。これまでは、飛び込みで何度も企画を送ったことがあったが、なかなか採用されなかった。そこで作戦を変え、完成度が高い4本の企画を送付することで、1本でも採用される可能性が高まると考えた。また、4本作ることで、私の強い思い入れや、執筆能力を評価してもらえるのではないかという思いもあった。
 
■2013.6.28 
私の経歴を見た編集者より、ネットワークスペシャリストの書籍を執筆しないかとの相談あり。私が送った4つの企画に関しても、前向きな評価をもらう。
 
■2013.7.4 
・資格担当の編集者より、初めてメールが来る。本のコンセプトや発売時期、内容に関する詳しい企画がついており、本に対する情熱を感じる。
・共著者の候補と電話で相談し、勢いでやってみようという決断をする。編集者に「やります」の返事。このとき、深い考えは全く無し。
 本音を言うと、別の4つの企画を通してもらうためには、この誘いは断れないという事情もあったことは事実である。

■2013.7.16 
依頼に対し、私が作りたい本の企画書を送付。かなり細かいところまで要望を出す。編集者に遠慮することなく、自分が作りたい本をストレートに要求。

■2013.8.3 
編集者と初めて打ち合わせ。方向性は概ね一致している。企画書に従い、順に打ち合わせ。
 ターゲットの想定に合わせた内容、カバーデザイン、発売時期、価格、章立て、コラムの内容、原稿の書き方、編集作業の方法、本の大きさ、付録、タイトル、イラストレータ、「ですます」調か「である」調かなどなど、細かく打ち合わせ。私は、小さいところまでとことんこだわりたいタイプである。読者に皆様に、お金を払っていただくわけであるから、当然だと思っている。
 だが、いくつかの点で議論が紛糾。価格に関しても意見が異なったが、一番は発売時期。発売時期を早めたい編集者の要望に対し、私が反発。いい本を書くには時間がかかるからじっくり書かせてほしいと強く訴える。タイトルに関しても紛糾。中身も重要だが、タイトルは、その本のコンセプトを表すもの。安易に決めたくはない。結論は持ち越し。
 編集者からの意見で、今回のコンセプトはとんがった本であることから、その使い方を書いてほしいとの依頼がある。たしかに、この本をうまくつかって合格してほしいという思いもあることから、承諾。

■2013.8 
本のコンセプトに合わせ、構想の立案。どういった本にしたいのか、何を伝えたいのか。これが本を作る原点である。その点を真剣に考える。
 資格対策である以上、合格できる本であることが第一。加えて、読者の皆様のモチベーションを上げるようなウキウキする本であることも大事。残念ながら、本を1冊読めば受かるような試験ではない。皆さんのやる気を引き出す本であるべきだ。
 加えて、他には無い本を作る。これは重要だ。他社で存在する本であれば、わざわざ私が作る必要もない。すでにあるから、それを買ってもらえばよい。
 構想が決ったら、章立てを考えつつ、中身も書き始める。最初は、真剣に書くというよりは、ネタ集めという感じ。
 
■2013.8.7 
仮の構想を編集者に送る。午前の重点問題を解説しようと考えた。(後にやめることに。)
 
■2013.9 
・上記の構想を片隅で考えつつ、新しい本の執筆を進める。加えて、全く違う小説も書き始める。あきっぽい性格なので、常に複数の原稿を書き、モチベーションが下がったら違う本を書くようにしている。
・勉強方法に関して、まとまったものを書くのか多いに悩んだ。毎年改訂するのであるが、同じ内容を書きたくない。でも、勉強方法が毎年変わるわけではなく、多少の書き方は違っても、根底は同じである。違うことを書くことで、読者の皆様が混乱するのではないかという懸念も強かった。
・東野圭吾さん原作の「G@ME」が面白かったので、それを意識した小説風の合格のコツを書き始める。これは、単に楽しいという理由で、スラスラ書くことができた。
 主人公の女性(樹里)と先生がゲームをする。先生の言う通りにして樹里が試験に合格すればことが正しいければ先生の勝ち。不合格なら樹里の勝ち。負けた方は相手の言うことを一つだけ聞くというもの。個人的にはなかなか面白いと思って気に入っているが、若干強引なところもある。このネタはとりあえずお蔵入りさせることにした。→後日、ネスぺ29で採用
 
■2013.10 
原稿の締め切りは1月というのに、さすがに何も書かないのは焦ってきた。そこで、勉強方法などについてまとめ始める。これまでBlog等で書き溜めたこと、勉強法に関する見識を高めるために200冊以上の本を読んでノートにまとめたことなどを振り返り、構想をプロット化する。
 書き出したら、やはりしっかり書きたいという思いが強くなり、真剣に書き出す。
 
■2013.10.15 
編集者とは時折やり取りをする。タイトルと価格設定が気になり、確認するが、まだ未決定ということ。最終決定権は社長にあるということを初めて知った。なんとしても安易な名前だけは避けてほしいと思った。
 とりあえず伝えたのは、短い言葉で言えるタイトルにするか、読者の方に統一した略称を言ってもらえるものにしてほしいということ。ミュージシャンは略してもらえることを前提に名前を付けることが多いらしい。たとえばELTなんかもそうだ。
 
■2013.10.17 
勉強方法のラフ版を編集者に送る。Wordにつらつらと書いたものを、パスワードをかけてメールで送信。
 編集者からはすぐにレスがきて、大絶賛される。間違いなくリップサービスであり、私のモチベーションを上げようというのが見え見えである。でも、著者として悪い気はしない。
 
■2013.10.22 
イラストを誰に書いてもらうのかを相談。イラストもキーポイントとなることから、双方で検討することにする。イラストによって、本の雰囲気は大きく変わる。また、同じイラストレータでも、本のコンセプトに合わせたタッチにしてほしい。即決とはいかない。
 
■2013.10 
勉強方法のラフを一旦仕上げ、プロの文章の先生に添削を依頼。後日、真っ赤になって帰ってくる。
 
■2013.10.24 
本書の使い方の原稿を一気に書いてみる。思いつくままに書くので、明け方3時くらいに起きて、4時間ほどで一気に書き上げることができる。
 だが、この後に書くつもりであるが、そこから完成までが遠い。本当に遠い。全部で20回は書き直すと思う。嘘だろう?と思われるかもしれないが、実は本当である。自分だけでもまずは5回は書き直す。一旦書き終えて、しばらく寝かせてから見ると、なんてひどい文章なんだ!と思うのだ。そこで、何度も手を入れる。また、トイレや風呂に入っていると、ふと加筆したくなることがある。そうやって書き直して一旦出来上がる。
 その後、共著者に見てもらい、意見をもらう。それでまた書き直す。その後、編集者にアドバイスをもらって、また書き直す。さらに、文章のプロの先生に見てもらうと「真っ赤」になって返ってくる。ここで、また納得いくまで、3、4回は書き直すはめになる。再度先生に見てもらうが、また赤字での修正がある。こうやって精度を高め、初校にしてもらうために編集者に送る。編集者が図を直したり、出版社のルールにしたがって文章を整え、初校ができあがる。それを、チェックして修正を送り、再校。そして、最終校となってチェックが完了。本を書くのはすごいエネルギーが必要で、ブログは楽だなーと思う。
 余談であるが、校正もせずに思いつくままに書くだけであっても、ある程度の内容である自信はある。であれば、本にせずにブログに載せるだけにとどめておけば、その何倍の量の原稿を世に提供できる。たとえば、ネットワークに限らず、セキュリティやプロマネ、応用情報など他の試験の解説も書けるのだ。どっちがいいのだろう?と悩むときもある。
 
■2013.11 
違う出版社から、違う本を書かないかという依頼を受ける。かなり重い依頼ではあったが、構想を考えてみると、面白い。ただ、ライバルも多いので、どう差別化をすべきか。どうやって読者の皆様の価値とするのか、そのあたりが難しい。(この件は、とりあえず後回しにすることになった)
 
■2013.11.18 
全体的な章立てを決める。コラムであったり、付録であったり、合格体験であったり、文章にする部分については、粗かった部分を細かく決定していく。あくまでも、読者の皆様に有意義な本を提供するという観点で書くということだけを間違えないようにする。
 そして、編集者にその内容を送付。
 
■2013.11.20 
編集者は私の細かい案に対し、さらに細かく提案をしてくる。カバーを取ったところや、カバーの裏、カバーの襟の内容などまでである。考えることがたくさんありすぎて、正直お腹いっぱいになる。でも、惰性で作るのではなく、そこまで考えてくれるというのはありがたいことだ。こちらも真剣に考えて、意見を述べる。
 
■2013.11.22 
・10月中旬には仕上げていた「勉強方法」の原稿を、幾度となる書き直しの結果、やっと編集者に送ることができる。脱稿版というらしい。初めて知った。
・折り返しで、細かな指示がくる。たとえば、言葉の使い方。「本文」と書くのか、「問題文」と書くのか。
強調したい部分の協調の仕方。ポイントのまとめかたなど。
 
■2013.12.5 
・所属しているITの団体から、新しい研究をしませんか?と誘いを受ける。しかも私がリーダとして。
いっぱいいっぱいでごめんなさい。キャパが少なくてすいませんとお断りをする。ごめんなさい。
実はこのとき、最初に送った企画の本と、この本、それと後ほど後回しにする本の3冊を同時に進めていて、本当にいっぱいいっぱいであった。
・まったく同じタイミングで、今度は付き合いのある別の出版社から、ありがたいお誘いを受ける。違う本の執筆である。今書いている本が書き終わったら是非お願いしたいため、打ち合わせだけ行い、執筆時期と内容について相談する。こちらの忙しさも了解してもらう。
 
■2013.12.6 
合格に必要な格言を考える。今まで莫大な量の本を読んできて、その中に格言もたくさんあった。それらと絶対にかぶってはいけないということもあり、自分らしく自分の言葉で考えてみた。20個ほど考え、編集者に送る。各ページの節目で入れてもらうことになるだろう。
 
■2013.12.12 
またまた別の出版社より、原稿を書いてくれないかという依頼を受ける。ボリュームが大きくないのと、時期をずらせそうなので、深く考えずに了解する。心理的には余裕があまりない状態がこれからしばらく続く。
 
■2013.12.12 
編集者よりイラストレータの候補がくる。サンプルの絵がついているが、みなさんとてもうまい。あとは、今回の本とコンセプトが一致するかということである。この本のテーマに合わせたカットを書いてもらうように依頼。
 
■2013.12.15 
・共著者より、過去問解説が1問分仕上がってくる。よくできている原稿である。とてもよくできているが、これはまだスタートライン。いまから幾度となく書き直しが始まるのである。
・今回は、設問の全体マップを付けてみようと考えた。設問にはテーマがある。そして、課題がある。それが、すべての設問の答で解決するのであるというストーリーができている。それを解説の最初に入れるのである。(→後日、削除することにした。実際に書いてみると、いまいちの内容にしかならなかった。書き方が悪かったのかもしれない。再検討したい)
 
■2013.12.18 
過去問にあった製品に関して、メーカから評価版を借り入れ、実際に試してみる。過去に何度も触ったことがあったため、それほど苦労はなかった。ポイントとなる技術の動作を確認するのと、画面キャプチャを取って、原稿に加える。
 
■2013.12.19 
夜になって、メーカの方と合同検証をする。過去問にあった新技術について深く知るためである。メーカの方は気持ちがいいくらいに優秀だ。若いのに本当にすばらしい。とても楽しい時間が過ごせただけでなく、原稿の貴重な材料が集まった。
 
■2013.12 
ここからは、共著者が過去問の草案を書き、それを私が加筆修正、コメント、ときに実機検証をしながら原稿を加えていく。そして共著者に戻す。その後、共著者が修正、それを私が再度チェックし、仕上げていく。もう一度、技術的に確認したいところを共著者に戻して加筆してもらう。それをもとに私が仕上げに入る。
 仕上げはとても時間がかかる。図の一つ一つ、言葉の一つ一つを全て、なぜその図を入れるのか、この言葉をなぜ使うのか、分かりやすい文章になっているかなどを考えながら書くのだ。気になるところは実機で確かめる。文言としては、Wordの校正ツールや市販の校正ソフトも使って確認をする。
 もう一度、共著者に送り、最終チェックをしてもらう。それを受け取って私が仕上げをして、やっと編集者に送ることができる。脱稿版だ。
 
■2013.12.20 試験の合格発表
 発表直後から、合格体験をたくさんいただく。本当にありがたい。しかも貴重なご意見ばかりである。皆様の苦労と工夫、感動など、たくさんのこといただけた。是非これを本にいれたいと感じた。
 その中に、16歳の最年少合格者も含まれていて、是非取材してみようと考え、連絡を取る。
 
■2014.1 
この正月は久しぶりの9連休ということもあり、朝から晩までひたすら原稿を書き続ける。ひたすらである。
 
■2014.1.12 
いろいろあった結果、イラストレータを決定。時間もないことから、いそいで色々と書いてもらうことになる。イラストレータさん、無理を言って本当にごめんなさい。
 
■2014.1.14 
・たくさんいただいた合格体験を、本の欄外に順に入れることにしようとなり、私の方で心に残る内容をピックアップ。全部で30くらいを編集者に送る。
・すでに脱稿版を送っていたコラムであったが、内容をいくつか変更することにした。久しぶりに会った高校教師をしている先輩から心に刺さる言葉をもらったからである。物書きであっても、常に原稿を書いているだけではなく、いろいろな人と接し、人間らしい生活をしないといけないと改めて感じた。
・表紙についても考え始める。表紙は読者が最初に見るところ。やはり徹底的にこだわりたい。
 
■2014.1.20 
・編集者より、タイトルの2案がくる。しかし、どうしても納得ができない。タイトルがおとなしいのである。たとえば、一つは「最強の」という言葉が入っているが、「最強」とつけさえすれば「最強」をイメージしてもらえるとは限らない。
 やはり、この本のコンセプトやテーマが何かを考えてのタイトルにしたい。そして、インパクトも大事だ。極端であってもいいと思う。
 すぐさま、編集者に電話して、長時間格闘する。また、私の思いを文章にしてメールでも送る。表紙のラフデッサンもつけて送る。とにかく必死だ。
・それとは別に本文のイメージが来る。レイアウトや組み立ての確認である。さすがプロであり、悪くはない。個人的にはあまり興味がないところであり、「問題ありません」と伝えた。
 興味が無いというのは語弊があるかもしれないのであるが、シンプルだが綺麗にまとまっていて、本文を邪魔していないのである。
 とはいえ、細かいところを数か所は指摘している。
 
■2014.1.21 
カバー裏、しおり、などを考えて編集者に送る。しおりに関しては、何パターンも考えた。まず、しおりを使うシーンである。基本は勉強中にこの本にはさんで使う。だが、できればそれで終わってほしくない。違う本で使ってもらったり、仕事や勉強机に置いてほしい。壁に「合格」と目標をはるようなイメージだ。
 
■2014.1.21 
某メーカに訪問し、取材および共同検証を実施。この結果も原稿とする。
 
■2014.1.26 
少し終わりが見えてきたこともあり、合間で書いた新しい本の原稿を編集者に送る。めちゃくちゃ斬新な本であり、有用な本だとは思うが、まだまだ荒い。
 
■2014.1.27 
著者プロフィールを送るが、編集者よりダメ出し。もっと詳しく書いてほしいとのこと。確かに、プロフィールを見て本を買う人も多い(私もその一人)。ただ、個人的には中身だけで勝負したいというのもある。たとえば、漫画なんて著者プロフィールは無い。でも、売れている。
 とはいえ、本の場合はみなさんプロフィールを考えて書いているので、従うことにした。

■2014.2.1 
初校がやっとできあがり、編集者から宅配で送られてくる。いよいよ本になるなーということで、少しうれしさもある。私の脱稿版はWordで書いたものであるし、図は全て手書きである。あの汚い原稿がこれほどきれいになるのかと思うと感慨深い。
 原稿チェックは手を抜けない。真剣だ。でも、どれだけチェックしても完璧にはならないのがつらい。
 
■2014.2.3 
索引をつけるかどうかの相談があった。編集者はつけたいと言われたが、私は無にしようとお伝えした。何のための索引かである。参考書のように辞書的にひくものであれば必要だろうが、今回はそういう本ではない。小説や漫画に索引が無いのと同じだ。

■2014.2.4 
タイトルが決まる。私の意見を採用してもらえた。少しほっとした。それが果たして吉とでるかは全く分からない。でも、チャレンジしてみたかった。林真理子さんの本に、「チャレンジして失敗したときの後悔は時間とともに小さくなるが、チャレンジしなかったことの後悔は時間とともに大きくなる(言葉はだいぶ違うだろうが、ニュアンスはそんなかんじ)」と書いてあった。その言葉に共感した部分が大きいと思う。
 また、そのタイトルに合わせてはじめにや表紙デザインなど、統一性を持たせるように考えて編集者に案を送る。本の内容については、もともとタイトルと合わせている。
 
■2014.2.6 
まえがき、プロフィールを完成させる。

■2014.2 
バラバラと初校が届き、そのチェック
 
■2014.2.7 
カバーイラストのラフが届くが、ちょっとイメージが違う。大人っぽいのである(以下)。
即座に修正を依頼する。

■2014.2.10 
カバーイラストの修正版が届く。かなりイメージに近くなった。しかし、それ以上は専門のデザイナーさんと編集者で調整するとのこと。私はあまり参加できない。とても残念である。まあ、会社の方針であることから、しかたがないだろう。
 
■2014.2.11 
最年少合格者の取材。そして、それをすぐさま原稿としてまとめる。

■2014.2.23
初校をすべてチェックし編集者に送り返したと思ったら、再校がやってくる。1章2章あたりはかなり前に初校を返していたので、 それを編集者が反映し、編集者がチェックしたものが送られてくるのである。
 チェックはきりがないが、チェックする内容も仕上げに入る。用語統一や,誤字脱字,文章のつながりなどの修正が中心になる。さすがに、今さらページ数を変えるような変更は厳しい。
 私がチェックする間も、編集者は2、3度チェックしてくれるという。ありがたいことだ。

■2014.2.27
カバーとカバー裏が届く。かなり特徴的な仕上がりであるが、私は気に入っている。編集者の力がこもった力作だと思う。カバーの良し悪しは合否には直接関係ない。でも、読者の方にとっても、できることならかっこいい本を持ちたいのではないか。

■2014.3.2
再校の直しを送付、プロフィールやはじめになども修正。こちらは初校、再校の手続きをふまず、1回のやりとりだけ。

■2014.3.5 
・印刷所に入校。その後、印刷データが出来上がり、それを編集者が最終チェックをし、印刷がスタートする。
・Amazonでの登録が完了。

■2014.3.5 
・編集者より最終チェックが完了の連絡が入る。見本ができあがるのが楽しみ。Amazonのサイトに表示されるようになった。いよいよ予約販売開始である。
・今後は、書店営業や販促などを引き続き行っていくことになる。まずは付録の検討である。本に入れ込む販促用の付録。読者の皆様にとって有意義なものにしたい。

■2014.3.20
・見本が届く。文字が大きく、イラストもたくさんあるので、比較的読みやすい本に仕上がったのではないかと勝手に思っている。
・一部の書店で、店頭販売が始まる。実はこのことを私も知らず、読者の方に教えていただいた。

■2014.3.27
店頭販売とAmazonでの販売開始